毎日の記録 Diary

2021年4月16日 とびしま海道

更新日:

4月16日(金)

とびしま海道

~海の参勤交代道~

297km


実は、本日のコースは、スケジュールを立てる際に見落としていた。絶景ロード百選を特集した雑誌から一つずつ転記したルートの起点と終点の座標リストの中から1行見落として日程を立てていたのに気づいたのが3日前。帰路真っすぐ山陰を抜けるルートを急遽変更し訪れる事が出来た。

防府駅前を出て、140km走って呉市まで。途中通過した広島はやはり大きな都市だった。呉は工業地帯で、雑然とした街並みと色々な煤煙の臭いが気になった。ひと昔前の工業地帯を走り抜けた感じ。



本番のとびしま海道はこれまでの瀬戸内の中で一番瀬戸内らしい区間だと思えた。可愛い漁船が停泊する入江。みかん畑を縫い上がる狭い道の頂上から見渡す大小の島々。


写真にある様に、7つの多彩な橋の作りも楽しめた。橋の構造のお勉強には打って付け。

下鎌苅島には江戸時代の海上参勤交代路の本陣やそれにまつわる古い建物が博物館、美術館として公開されていた。美術館には三岸節子の作品も。


昼飯は広島風お好み焼き。漁村の小さな店で、次から次に掛かってくるテイクアウトの予約オーダーにおばちゃん一人がてんてこまい。ネギは入らず、イカ天が入る。焼きそばたっぷり。美味しく頂いて満腹。500円。


その後渡っていく島々の最後、岡村島だけが広島県から愛媛県に変わる。またここから先の島々へ橋は無いのでフェリーで隣の大三島へ渡る。船に客は他に小さなトラック1台のみ。25分の旅。バイクの固縛なし。「自分で倒れないように見ておく事」とのご指示。船の接岸テクニックは天才的!もやいロープなどいっさい使わず、接岸前から下船用のスロープを下ろし始め、陸からのアシスト皆無。船長の腕前頼りの運行だ。下船際にクルーのおじさんに「上手ですね!」と声をかけると、「何いってんの?」と言ったリアクション。長い間当たり前の事としてやっている仕事なのだろう。脱帽。

このフェリーへの乗船まで2時間近くを波止場の喫茶店で過ごした。「ちょうちょ島館」。波止場に隣接するこの店の変わった名前は、マスターがここで自分で見つけた絶滅危惧種の蝶、クロツバメシジミに由来する。保護活動として生涯学習センターでの講演、小学校での飼育実践授業を続けているそうで、面白くその話を聞く事ができた。私がかつて著名だった昆虫学者の孫だと名乗ると別れ際に名刺を下さった。後でインタネットで検索すると、これまで岡村島を蝶々の島にしようと奔走された事がわかった。店の感じから決して経営も保護活動も順調には見えなかった。頑張って欲しい。

渡った大三島からはしまなみ海道が本州へとつないでくれる。往路4月6日に通過済のルートを再び経由し一路内陸の三次市へ。中国地方の山の木々は海辺の照葉樹とは打って変わり、淡い新録の落葉広葉樹。随分山の中の街だ。マツダの大きなテストコースはあるがひっそりとした盆地の町だ。

明日は終日雨の予報。ここで2泊し明日を休息日とする。

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