毎日の記録 Diary

2021年8月24日 北太平洋シーサイドライン

更新日:

8月24日(火) 

北太平洋シーサイドライン

~The北海道コンテンツ包含のロングルート~

352km


 

 

絶景ロード100選、いよいよ北海道エリア最後のルート。ここは区間が長いだけあって、これまでの北海道巡りの集大成の様な、見応えのあるルートだった。太陽が終日隠れていた天候だけが残念だった。北海道らしいコンテンツとして、最果ての岬、牧場、直線道路、広大な湿原、長い砂浜、海に迫り出す断崖、ローカル列車、野生動物。今日1日でこれらを皆楽しむことが出来た。

 


朝から雨の根室を、乾かしたばかりのレインウエアをまた着込んで出発。出る前にチェーンに入念に給油。昨日はずっと雨の中を走り、着く頃にはチェーンからいつもと違う擦れ音がしていたので、丁寧にスプレーした。バイクはだいぶ汚れて来ていじらしいが、旅び人の乗り物の貫禄が出てきた。ノートラブルだ。ご苦労様。


先ず今回予定ルートの納沙布岬へ。スマホが示す雨雲レーダー動画の通り、西から東へ流れていく雨雲のその下を忠実に東へ走る事になるのだから、岬に着くまでずっと雨。

 


北方領土返還活動の看板や活動センターを横目に岬の先端へ。この灯台は、明治三年に難破船のマストを立てた目標に始まり、初めは木造建屋にアセチレン光源、そして昭和五年からコンクリートづくりのこの燈台が今も現役。かれこれ90年だ。明治三年は昨夜の旅館の創業とも一致する。

 

 

大阪からの125cc君に教えてもらい灯台の裏へ。日本本土最東端の灯台よりさらに東側に「納沙布岬野鳥観察舎」なる小さな小屋が有った。引き戸を開けて入ると中にはここで見られる様々な野鳥の写真と説明書き。上下に観音開きする細長い扉を開くとオホーツクと太平洋とそれを分かつ岩場がパノラマ写真のように見下ろせる仕組みだった。この時日本で一番東の端っこに立っているのが私だった。

 


野鳥観察を装い、自衛隊の警戒部隊がここからロシア側を見張ることもできるなと思った。昨日から道東のローカルニュースでは、国後島から泳いできて亡命を希望するロシア人の事が報じられていた。この地域では真剣に彼はスパイに違いないと皆が話しているそうだ。関東の平和ぼけに頭に、最前線の人々の真剣さが新鮮に感じられた。野鳥観察を装う自衛官の話は私の浅はかな思いつきのジョークだが、あながち冗談では無い様な気もしてくる。

 


北太平洋シーサイドライン、この景観を本州の景色で例えると、霧ヶ峰の草原を走り抜けながらふと左下に目をやると岩手のリアス式海岸の断崖と、さらに遠くには九十九里浜が長く波飛沫をあげている、といった絶景。

 

  

他にも内陸の湿原の鶴のつがいやガードレールを飛び越えたばかりの鹿の子供のお尻が可愛らしかった。根室本線の一両編成列車ののどかな走りの風景も、別れの近い北海道からの最後の贈り物に思えた。

 

今日の宿泊地帯広は都会だ。今日迂回しながら見下ろした釧路の街も大きく見えたが、帯広はより大きな町の感じがする。明日は走らず、ゆっくり見物だ。

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