旅の振り返り

先ず、無事故で完遂出来ました。これは、無理の無い計画、自分の体格と力量に有ったオートバイの選択、ナビによって迷いの無い走りが出来た事が大きな要因だと思います。またこれは、各地で建設が進み日々整備が行われている快適な道路環境のお陰でもあります。

これでもか!と言うくらいの長い日数と距離を走りましたが、旅を終えても飽きる事はなく、まだまだ走りたい気持ちです。胸を張って「私も一端のオートバイ乗りです」と言えるようになった事が嬉しく、自己満足に浸っています。

天気の変化や自分の計画漏れ等により、小さなトラブルはいくつかありましたが、旅先の制約の中で対処しながら生活する事で、長年の上げ膳据え膳のサラリーマン生活で鈍っていた頭と体のリハビリが出来ました。走る事に加えて食事、洗濯、充電、天気、宿の予約を日々こなして来た事が、退職後のこれからの生活に於いても、色々な事を自分でやり繰りしていくための良い備えとなりました。

ナビを始め進化したデジタルツールを活用して行く訓練の場としても良い機会でした。どれも進化したとは言っても、まだ動作や機能に不十分さが有りますが、それらとうまく折り合いをつけて使いこなす事も必要なのだと学びました。

毎日長距離を走る中で、我国の道路の建設規模、技術、その維持状態のすばらしさに感動する一方で、国土の脆弱さも思い知らされました。火山、地震、豪雨、洪水、いたるところで災害復旧の痕跡や工事現場を目の当たりにしました。

路面、トンネル、橋梁の自然な劣化対応だけでなく、日本は将来にわたりこれらと戦って行く運命にある事を実感ました。費用の面も将来の大きな課題だと思います。


また日夜これらに携わる方々への感謝の気持ちを忘れてはいけないと、この歳になって改めて思う様になりました。


国土全体を走り回って見て、日本は美しい国でした。Bike JIN誌が提唱する絶景ロードの多くはダイナミックな地形により選定されたものです。複雑な地下プレートのもぐりこみによる地殻変動、火山活動、豊富な降水や風、潮流による浸食、地球の営みによる様々な作用をこの狭い国土の中で様々なバリエーションとして観察出来ました。私の国は国土全体がジオパーク。奇景、絶景のデパートでした。

絶景ロードのみならず、それらを結ぶ一般道、高速道路の区間にも感動する景色をいくつも見る事が出来ました。各地の人々の生活により作りだされる景観です。扇状地、盆地、河岸段丘、渓谷等々、学校で教わった色々な地形や気候に合わせて作られる田畑の美しさ、地形を生かしながら構えを作り信仰を守る神社仏閣の威厳、発電所や化学プラントにも、甲乙有るもののそのダイナミックさに圧倒される場所がいくつもありました。しばしば、「まるで日本では無いような美しい眺め」「外国の様な景色」等と言う言葉で日本の綺麗な風景が評されますが、世界の何処にも負けない誇るべき絶景が我が国にも沢山有る事が良くわかりました。外国の景色を「日本の様に美しい景色だ」と評すればいいのです。

少年のころから運転し慣れ親しんだオートバイですが、今回の集中的な運転で自分なりに改めて学び、習得するものがありました。最近の高性能エンジンの力の出方、サスの動きのスムーズさ、タイヤのグリップ性等が大きく向上した事を感じながら、より良い操縦方法を模索しながら走る毎日はとても楽しいものでした。特に車体を傾けている状態からのパワーの掛け方が随分昔とは違ってきていると感じました。まるで自分のテクニックが飛躍的に向上した様に錯覚しながらワインディングや悪路を走り抜ける楽しさを満喫する事が出来ました。

反省も沢山あります。

写真の保存や日記の記録は必ずその日のうちに行いましたが、記録する項目をきちんと決めていなかったので帰って来て読み返すとちぐはぐな日記になっていました。特に出費の内容を書き留めていなかったため、後になって正確な内訳を整理するのに苦労しました。

各ルートの通行止め情報を取らずに訪ねたため、積雪、凍結、工事、火山ガス等でルートの入口で引き返すケースがありました。そこに至る道筋を楽しむ事は出来、入り口での写真も残せましたが、6つのルートの通り抜けが未達成です。BikeJin誌にはルート毎の問い合わせ先が記載されていますので、事前確認にそれを活用するべきでした。

一人旅での写真撮影に三脚は欠かせませんが今回使ったものは当初は小さすぎました。山岳地帯を廻る絶景ロードの場合、途中のパーキングや展望所からは、眼下に広がる湖や田園風景に感動します。今回持参した高さが1.3m程度の三脚では、風景を見下ろすようなアングルに自分の姿やバイクを入れた構図が作れませんでした。後半の旅では1.7m程度の三脚に変更しました。

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