毎日の記録 Diary

2021年8月26日 ウポポイ民族共生象徴空間(移動日)

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8月26日(木)

ウポポイ民族共生象徴空間(移動日) 

440km

本日は帯広から函館までの移動日。北海道の絶景コースは昨日までの10日間で全てクリアできた。

振り返ると、その半分の日は天候に恵まれ、感動の景色ロードを経験出来た。

他にも、今回北海道のほぼ全域を走り回った事で、その広さ、各都市の位置関係、道民の営み、ジオグラフィックの全体像もおぼろげながらにも感じる事が出来た。生業として農畜産と漁業が多くを占める事を実感した。漁業はこの先の限界も感じた。岩内漁港に漁船が一隻も停泊していない姿、ロシアとの漁業協定の改変以降の根室漁港の寂しさなどからそう感じさせられた。農畜産はまだまだ進展の余地あり。帯広地区で言えば、稲作の面積は開拓時のピークから現在はその一割近くまで減少。道中随所で目に付いた休耕田の活用はまだまだ出来るはずだ。昨日、日本はまだ食料自給率30%台とテレビのニュースは報じていた。これからの北海道農畜産業の発展に期待したい。道北では昨今の蕎麦ブームに乗ってか、広大な蕎麦畑が広がっていた。休耕田は牧草地にも活用できよう。一方で地球温暖化ガス、メタン排出の出どころの5%は畜産動物のゲップだとか。悩ましい。

 

 


本日は移動の中間地点、白老町に開設されたばかりの国立のアイヌ文化の博物館、ウポポイを見学。約2時間滞在。国立の施設だけあって建物や展示のうまさは道内で見てきた諸施設の中でダントツ。(札幌周辺は見ていないが)

日本も少数民族の文化を大切にしていますとのメッセージを内外に示す意図も展示や映像からひしひしと感じられた。展示説明の第一言語はアイヌ語。その下に日本語、英語、韓国語と続く。文字文化を持たなかったアイヌ語での説明は全てカタカナ表記。

 

   

一通りの展示を見て、アイヌの事が少しだけ分かった。一番興味深いのは、カムイと言う神様を中心に据えた価値観や生活様式。これだけ豊かな自然に囲まれて居れば自然に湧いてくる理念なのかもしれない。クマをささげるイヨマンテの祭りの映像は衝撃的。これを見て、アイヌの文化、哲学、宗教心は簡単に理解できるものではないと感じる。

 

   

 

  

 衣服や道具、楽器は皆美しい。日本文化の中には無い素朴さ。江戸時代まで、このような異文化を守る人々の生活が北海道を中心に営まれていた事に改めて驚いた。松前藩による搾取や差別から大きく衰退していった事も諸展示から学ぶ事が出来た。

 


昼食は敷地内のカフェで昆布だしの鮭のポトフ定食。アイヌ語の名前が付いていた。

 

本日の宿泊地函館に入ると、43年前のツーリングで迷った私を一晩泊めてくれた地元民生委員のIさんの家の近くを通ることが出来た。思いの外街並みに変わりがなかった。同じ苗字を掲げる看板が上がった老人通所施設を近くで見かけた。なにか関係があるのだろうか?

 

今日も半日降られたが後半は道南の美しい景色を楽しめた。高速道路から見える有珠山と昭和新山は迫力の景観。噴火湾を回り込むルートを走る事で太古の大噴火活動の規模を感じる事も出来た。噴火湾は相模湾に匹敵する大きさに見えた。

今日はよく学びよく走った。

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