毎日の記録 Diary

2021年8月23日 知床横断道路、開陽台

更新日:

8月23日(月)

知床横断道路

~オホーツクと根室湾の大きく異なる気候を体感~

開陽台

~中標津ののどかな酪農地帯にそびえるライダーの聖地~

251km

 

 

 


一日中降られた。新しいカッパでも袖口や肘には染みてくる。冷え切った体に旅館の風呂は極楽だった。後述の美味しい食事にも癒され日心身の疲れを取る事が出来た。

 

 

さて今日は朝からウトロの知床世界遺産センターで展示を見ながら峠越えの為に天候の回復を待つが、予報に反し一向に止まない。回復を祈りつつ、ここで教えてもらったペレケ川と遠音別川(オンネベツ)に樺太鱒の遡上を見に行った。

 

 

 

 

遠音別川河口、鮭の採卵場脇で、数十匹の40cmを超えるであろう大きな魚たちを確認できた。初めはわからなかったが、澱みをしばらく見ていると、何匹かが跳ねたり、体をくねらせながら素早く泳ぐ様子でそれと分かった。世界遺産の地の豊かな自然を垣間見る事が出来た。


ここで川の対岸を見上げると、知床の地層の露頭にも驚かされた。堆積層が傾きながら隆起し、その上に礫岩の様な火成岩が一気に積もり、その層が風化で細かく崩れ落ちている様子が良くわかる。魚も地層も見応えがあった。これを教えてくれた世界遺産センターから片道5km引き返して見に来た価値があった。


 
 


センター横のペケレ川で鱒は確認できなかったが、カワガラスが目前でせせらぎの小石を嘴でひっくり返しながら川虫を探している様子を観察できた。水の中に頭を突っ込んで探す様子が可愛らしい。瞬きすると白くきらりと光る瞼はちょっと不気味。本州では標高の高い上流域に生息するこの鳥がここでは河口付近にいる。ここでも知床の自然の大切さを感じた。近くの観光スポット、オシンコシンの滝もきれいだった。

 


峠道は終始霧。下りの羅臼側が特に濃霧。知床横断道路そのものは舗装もよく、北海道としては珍しいタイトなコーナーの連続。久々に日本の山道を走った感じだった。昼食は下り切って羅臼の海辺の道の駅で昆布ラーメン。海鮮だしの塩ラーメンはどこのものも美味しい。道の駅で待っても一向に雨は止まず。しかたなく360度の展望を誇る開陽台に向かう。着いたら予想以上の雨と霧。

 


ここはオートバイ乗りの聖地と謳われていて、去る8月19日、「バイクの日」には小規模ながらもイベントが開催された様だ。ここが聖地化される様になったのは小説「振り返れば地平線」によるものらしい。頂上からの展望は残念であったが、そこに至る中標津の酪農地帯を走り抜ける直線道路が北海道らしいコースで、霧に煙る牧場の風情を楽しむ事が出来た。

 

その後、風蓮湖の湿原を走り抜け厚床を経由し、本日の宿泊地、根室の町へ到着。先ずホームセンターで農作業用の防水腕カバーを購入。ハードな雨天走行で毎回不快な腕への浸透が防げると思って購入してみた。


本日の宿はニ美喜旅館(にびきりょかん)。宿に着いた時、泥まみれのバイクがいじらしかった。明日はチェーンに給油してやろう。

 

 

最果ての町での夕食の調達は少し心配だったので、予め2食付きで予約していたのが大正解だった。北海道の魚介の傑作料理を頂けた。産卵のため沿岸に寄ってきたばかりの秋鮭の煮付けとそのイクラ。他にもここで捕れた新鮮な素材が皆上手に調理されていて、今回の旅の中で最も心癒される食事だった。

ここ根室の旅館、ニ美喜(ニビキ)は創業明治四年。この最果ての土地で創業が維新直後とは!当時の漁業会社による設立との事。当時はここに至る陸路はなかったそうだ。もとの建物は昭和六十年台の大火で焼け落ち、少し内陸の現在地に再建。当時はニシン漁がメインだったのであろうか。この大きな漁村の歴史をもっと知りたくなる。

明日も天気は期待できない。

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